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弱酸性縮毛矯正はブリーチ毛にできるのか!?プロの美容師が徹底的に分析しました!

2018/9/17

こんにちは。

スタイリストの池田です。

今回も専門的な記事になってしまいますのでご了承ください。笑

最近はデザインの時代からケミカルの時代に変わったと言われています。

こちらのクリックもお願い致します。

髪質改善傷まないブリーチというものまで出てきました。

そして縮毛矯正も進化しました。

トリートメントストレート弱酸性縮毛矯正というメニューもよく見かけるようになりました。

当店で扱う薬剤のほとんどが弱酸性です。

こういう質問をよく頂きます。

『弱酸性だと全く傷まないですか?』

『カラーを繰り返して傷んだのですが平気ですか?』

『この前ブリーチしたのですが弱酸性なら縮毛矯正しても平気ですよね?』

etc

弱酸性の薬剤は極めて優しい薬剤だと認識して構いません。

しかし髪の状態によってはそんな優しい薬剤でも対処できない場合があります。

それは一体どういうケースなのか。。

そもそも縮毛矯正をすると毛髪内部でどういう現象が起きているのかをまずは分析しましょう!

縮毛矯正の仕組み

弱酸性縮毛矯正は傷まないと聞いたブリーチを繰り返してる方からご予約頂きました。

結論から言うとその方への縮毛矯正は断念しました。

何故か?

従来の縮毛矯正(パーマも)は毛髪内部の結合を切り形を変えてまた結合を繋げて固定します。

わかりづらいですよね?

図で説明します。

簡単に書くので下手かもしれないですがご了承ください。笑

毛髪内部はこういうような分子同士が結合(側鎖結合)してできております。

この結合をアルカリの力を使わず還元剤の力、つまり弱酸性の縮毛矯正剤やパーマ剤の一液を塗布して切ります。

するとこうなります。

結合が切れて形が定まっていない状態です。

これをストレートにすれば真っ直ぐの形が形成されてロッドに巻くとカールが形成されます。

形ができたら最後は固定(酸化)します。

これが結合が繋がった状態です。

本来はこれで乾かしたら完成です。

気になるところありませんか?

結合が繋がっていない部分ありますよね?

左側の②や③の結合は切れたままです。

これがダメージ毛を作る原因なのです。

どんなに優しい弱酸性の薬剤でもこの結合を全て繋げることは不可能です。

結合が切れたままだとその部分は形が定まりません。

尚且つその部分は繋がっていないので支えがなくかなり弱い部分です。

髪が切れたりパサついたりするのはこれが原因です。

パーマが戻ったり縮毛矯正しても少しするとうねり出すのはこういう結合があまり繋がっていないのが原因の場合もあります。(他にも考えられる要因はあります)

つまりこの側鎖結合が繋がっていないとダメージしてしまうのでどんなに優しい薬剤でもダメージが0にはなりません。

これだけ聞いてると弱酸性でも結局は傷むじゃん、と思いますよね?

しかしアルカリの薬剤はもっと髪への負担が大きいのです。

どういうことか解説していきます。

アルカリが毛髪表面に穴を開ける

穴を開けるというか毛髪表面に穴を掘る方がイメージしやすいかと思います。

例えば地面に穴を掘ったらどうなりますか?

恐らく穴ができて周辺はボコボコになりますよね?

それが一つではなく無数にあるともう恐ろしいですよね。。

毛髪表面がボコボコになるわけです。

地面であればそのあと人がボコボコになった部分を整えれば元に戻ります。

しかし髪は誰もその後元に戻してくれません。

トリートメントしても開いた穴に入り込み擬似的に補修するのですが時間が経つとどんなにいいトリートメントでも出てしまいます。

つまりボコボコした部分は残るので手触りもザラザラしてしまうのです。

それが蓄積して定期的にアルカリカラーやアルカリ縮毛矯正やっていたら5年後、10年後になった時に綺麗な髪を保つことは出来ません。

それであれば穴なんて開けずに弱酸性の薬剤で繊細に施術をした方がいいかと僕は思います。

なので一般的にアルカリのものは髪が傷むと言われています。

ブリーチしていたら弱酸性縮毛矯正はできるのか

ブリーチをしている毛髪は内部の分子同士の結合がほとんど切れてしまっているので髪の毛一本一本がかなり弱い状態になっております。

先ほど図で説明したように結合がほとんど切れてしまうといわゆるチリチリになってしまいます。

元々結合が切れているのに薬剤を塗布し還元(結合を切る)させてしまうと全ての結合が切れ髪がちぎれたりします。

ただたまに結合がすでに切れているなら繋げればいいじゃん、

と言う方もいるのですが常に酸化と還元はセットだと思ってください。

還元剤に酸化剤が反応するのです。

つまり優しい弱酸性の薬剤でもブリーチ毛の内部が反応してくれないとそもそも矯正することが出来ないのです。(パーマも同様)

もちろん今までの縮毛矯正剤よりは確実に優しいものなのでまだ傷みづらいというのもありブリーチを一度だけした方のような髪にはできるケースもあります。

まずはしっかり話し合うことが大切かと思います。

僕は過去に一時間カウンセリングしたことがあります。笑

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まとめ

改めて弱酸性の薬剤はアルカリの薬剤と比べて髪への負担は少なく5年後、10年後も綺麗な髪を保つためにはかなりオススメの薬剤だということがわかったかと思います。

しかし薬剤には髪を傷ませる成分はないのですが施術工程や化学反応でやむを得ないダメージをもたらすこともわかりました。

ブリーチをしてしまった髪の毛は中身が空になり優しい薬剤であってもそれに反応する中身がないため矯正やパーマをしても意味がなく最悪溶けたりちぎれたりするのでかなり慎重に判断しなくてはいけません。

細かく分析したのでややこしいかもしれませんが簡単にいうと弱酸性の薬剤は極めてアルカリの薬剤と比べるとダメージがなく髪に優しいですがどんな髪にもできる訳ではないのでブリーチをした方は一度相談をした方がいいかと思います。

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今回の記事は以上です。

ご不明な点はお気軽にお問い合わせください。

是非髪をサラサラにして充実した秋を過ごしましょう!

以上です。

stylist 池田駿太